ハイレゾ音源とCD音源をじっくり聴き比べて分かったこと

長らく忘れていたオーディオへの興味が、「ハイレゾ」なるキーワードによって再び活性化してきたのだが、冷静に見れば SONY が牽引してきた販売戦略にかつてのオーディオマニアが取り込まれて踊らされているだけともいえる。自分もそのうちの一人ではあるのだが。SONY に引き続いて ONKYO や Pioneer などの国産メーカーも続々参入してきたところをみると商売としてはまあまあ成功しているのではないだろうか。ハイレゾに対する海外メーカーの反応は当初は冷ややかだったが、米国家電協会(CEA)がハイレゾ規格を認め、日本オーディオ協会(JAS)が使っているハイレゾロゴをそのまま使用することを決定するなどのニュースもあったので、じわじわと静かなブームとなってきているようである。おかげで長らく停滞していたオーディオ業界も賑わいをみせはじめているように感じる。
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mora からハイレゾ音源をいろいろ購入して聴いているのだが、今のところCDと比べて絶対的な優位性は感じていない。人間の可聴域を超えるような周波数の世界で優劣を競ってもあまり意味がないのだ。それよりは「ハイレゾ対応」をうたうことによって品質の良い音響製品が出てくることの方が個人的には嬉しい。ヘッドホン MDR-1A をポタアン PHA-3 にバランス接続して聴く音楽は、それがハイレゾであろうとなかろうと大変良い音で楽しませてくれるのだから、それだけで十分な気がするのだ。mora で販売されているハイレゾ音源も、単曲で買うと高いがアルバム単位で買うとCDを購入するより安いものが多いし、CDでは販売されていないコンピレーション集もある。

そこで生じるひとつの疑問、「ハイレゾ音源はCDよりも良い音なのか?」

最近購入したハイレゾ音源集の中に収録されていた曲のいくつかが自分の手持ちCDの曲と同一なので、気合いを入れてじっくり比較試聴してみた。ハイレゾ版は Walkman ZX100 を PHA-3 にデジタル接続したものを、CD版はCDプレイヤーから光デジタルケーブルで PHA-3 に接続したものをそれぞれ切り替えながら、PHA-3 とバランス接続した MDR-1A で聴いた。聴いた曲はこのアルバム中の数曲。手持ちCDに同一の曲が2~3曲収録されている。オリジナルCDの発売が1980年なのでかなり古い録音だが、2000年代に入ってデジタルリマスタリングを施されたリニューアル版CDが再販されている。ハイレゾ音源に収録されているのはおそらく後者のリマスタリング版であろう。
渡辺香津美

1980年版CDとデジタルリマスター後のハイレゾ版の比較の結果・・・両者の差は微少だった。もちろんハイレゾ版の方がほんの少しだけ良い。内容的には、左右のセパレーション、低域の締まり、高域のキレがほんの少し良い。それもじっくり比較してはじめて分かる程度のものであり、単独でブラインド試聴したら両者の差はほとんど分からないだろう。元々の録音年代が古いのでそうなったのだろうか?

次は最新の録音のこれはどうか?
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これはさすがにハイレゾ版の音質は素晴らしい。CDバージョンを持っていないので比較は出来ないのだが、各楽器の定位もDレンジも迫力も申し分ないくらい良い。最近IMAXシアターでこの映画を観たばかりなので、劇場内で聴いた印象とほとんど変わらないくらいインパクトがある。IMAXシアターの最新式Dolby Atomosサウンドと同じ音質がポータブルオーディオで楽しめるのだから、贅沢なことだと思う。でもたぶんCDでも音質は変わらないだろうと思う。まぁお好きな方をどうぞという感じだ。

自分の主観ではあるが(いや主観でしか判断できないのだが)、結論としては従来のCD音質と比べてハイレゾ音源は、一聴して分かるほどの優位性はないといえる。音源の種類にこだわるよりも、ハードウェア的に視聴環境を整える方に投資する方が有意義だろう。もしiPodやWalkman単独で聴くのであれば、MP3やAAC方式であれば256kbps以上の高音質モードで、できればWAVファイルのままか無圧縮のFLACかALAC (Appleロスレス)で録音したものを聴くことをおすすめする。くれぐれも「ハイレゾ」という言葉に踊らされて無駄な出費を強いられることのないように。

tag : ハイレゾ FLAC MDR-1A PHA-3

SONY MDR-1A のリケーブル

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いろいろ発展してハイレゾにまで来てしまったが、その最初のきっかけを作ったのがヘッドホン SONY MDR-1A である。このヘッドホンはケーブル脱着式なのでオプションのケーブルと付け替えることでさらに音質がバージョンアップするという。うーむ、ホンマかいな。これも販売戦略の一環なんだろうな。ネットで探すと他社製のケーブルでも使えないことはないらしいが、1A側のコネクタが特殊なのでやはり純正の専用ケーブルの方が何かと安心だ。

バランスケーブル
SONY ヘッドホン用交換ケーブル 3極ミニプラグ(バランス接続) 2.0m MDR-1A用 MUC-S20BL1

ポータブルアンプPHA-3とのセットで1Aを使うなら、バランス接続ケーブルは絶対買った方がよい。そう思ったので自分は迷わず購入して使っているが、通常の(アンバランス)接続と比べるとパラレルのバランス接続は明確に音質が違う。バランス接続はクリアで音像定位がシャープだし音の輪郭や余韻までかなり余裕をもって再現する感じだ。ヘッドホン付属の通常ケーブルも決して悪いわけではない。ヘッドホンの性能に合った良質のものだと思う。ユーザーの9割はたぶんそれで満足できると思う。しかしバランス接続を一度経験してしまうと、それ以外はちょっと嫌というか物足りなさを感じるようになってしまう。人間の感覚って恐ろしいなぁ。

自分はもともと持っているオーディオセットでもMDR-1Aを使いたいのだが、1.2mの付属ケーブルでは短すぎて使いにくい。仕方ないので昔から持っているステレオミニプラグ延長コード3mをつなぎ、さらにステレオ標準ジャックへの変換アダプタを取り付けてプリメインアンプのヘッドホン端子につないで使っていた。見た目にもしょぼいヘナヘナの延長ケーブルにさらにアダプタって、これどう考えても音質無視の接続だよな。聴いてすぐ分かるほど音質は劣化しないのだが、何か足りない気がする。せっかく良いヘッドホンを使っていてもこんなグダグダな接続じゃちょっとなぁ。というわけで購入したのがこれ。

3mケーブル
SONY ヘッドホン用交換ケーブル 標準プラグ 3.0m MDR-1A用 MUC-S30UM1

ただの電線なのに7000円以上もするからには、良い音がしないはずがないっ! そういうプラシーボ効果も手伝ってか、実際使って納得の良い音なんだけどね。自分が使っているプリメインアンプは10年以上前の Marantz 製で真空管とトランジスタのハイブリッドアンプ。耐久性はトランジスタ並みで音質は真空管ぽいというモデル。現代のデジタル音響機器にはない、艶のあるしなやかな音質なのだ。その本来の音がこのケーブルで蘇った。「あ、そうそうこんな音だっけ」と、懐かしい気持ちでいっぱいになる。それだけで7000円以上の値打ちはあるよ。PHA-3とバランス接続したときのクリアでシャープな音質とは異なり、真空管特有の柔らかいが弾力のある音だ。これはこれで気持ちが良い。どちらかというとこちらの方が好みかもしれない。

リケーブルによる音質向上はごくわずかである。色々試した限りでは中・高域はさほど印象が変わらないが、低域の響きは明確に異なる。通常のケーブルだとバスドラムやティンパニの打音は「ズン」という音の塊が飛んでくる感じだが、リケーブルすると「ズン」の後に空間的は広がりがある。打音の振動が空間に伝わって反響して収まっていく感じがある。防音室で太鼓を叩いた感じとホールで叩いた感じといえば分かりやすいかもしれない。それくらいの差がある。いや、たかがそれっぽっちの差といった方が良いかもしれない。

そのうちWalkman用にこれも買ってしまうかもしれないな・・・
1mケーブル
SONY ヘッドホン用交換ケーブル ステレオミニプラグ 1.2m MDR-1A用 MUC-S12SM1

tag : MDR-1A

iPod からハイレゾ Walkman へ

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初代 Walkman (左)と Walkman Professional (右)

ポータブルオーディオといえば1979 年に登場した初代 Walkman (むろんカセットテープのやつね)あたりから使っていたし、80年代後半には当時10万円近くした録再 Walkman の最高峰、Walkman Professional も購入し、これは駆動系がいちど駄目になったが修理に出して今でも使用可能な状態で保存している。それ以降カセットテープの衰退とともに記録媒体が MD に移行し、パイオニア製の MD プレーヤーも使った。これはCDプレーヤーから光デジタルケーブルで直結してダイレクト録音できる優れもので、本体操作で曲名の編集なんかもできたしカーオーディオにも使えた。
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SHARP Zaurus シリーズ

そして 90 年代、時代はしだいにメモリーオーディオへと移っていくのであるが、自分は iTunes や iPod が登場する以前からPCとフリーソフトを使って CD のリッピング、エンコーディングを行って MP3 ファイルを自力で生成し、電子手帳 SHARP Zaurus のメモリーに格納して聴いていた。この Zaurus は早くから MP3 オーディオ再生機能を搭載しており、専用のコントローラーを接続したら普通にメモリーオーディオプレーヤーとして使えたのだ。
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初代 iPod

2001 年、初代 iPod と iTunes が登場した。ガジェット好きの自分が飛びついたのは言うまでもない。この頃買った静電ホイール式のモノクロ iPod は、これまたきちんと使える状態で手元に温存している。その後 iPod Shuffle, iPod Nano, iPod Touch と購入するなかでポータブルオーディオは iPod 中心となったが、音楽自体を聴く時間がどんどん減り、車で通勤していたときはカーオーディオで FM ラジオか CD を流すくらいしかしておらず、生活の中で音楽の占める比重がどんどん減っていった。
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iPod Touch 第6世代 (現在使用中)

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そして単なるBGMじゃなくてちゃんとした音楽鑑賞がしたいという欲求が増してきた現在、ポータブルオーディオの世界でも次々と革新が行われ、ポータブルだけどピュアオーディオに近い音楽鑑賞ができる時代に突入した。かつて Walkman Professional を購入したときのワクワク感に近いものを感じる。

10年前にiPodをコンポのカセットデッキ代わりに使えないかと思って色々試したことがある。iPodのイヤホン出力を RCA プラグに分岐してプリメインアンプにつなげば良いので簡単なことだが、それを JBL4312mkII で鳴らしたときのガッカリ感といったら言葉で表現できないほどだった。イヤホン聴きでは分からなかった音のアラが、フルサイズコンポでは赤裸々に露呈されるのだ。元音源のCDと切り替えて聞き比べるまでもなく、MP3データはDレンジが狭く平板で、高域がザラザラ汚く、中・低域も輪郭がにじんで沈んでしまっている。なんせデータ量が1/10に圧縮されているのだから当然といえば当然かもしれない。これはMP3エンコード時のビットレートを上げたりしてもあまり改善しない。それくら圧縮音源というものはクオリティが低いのだ。にもかかわらずイヤホンで聴くと意外に良い音がするような気がするのは、再生装置の限界性能が低いために音のアラが目立たないだけなのだ。最近はMP3エンコーダよりも音質の良いAAC (M4A) エンコーダが主流となっているが、実聴比較すると体感的にはほとんど同じだ。

自分の結論としては、MP3, M4A などの圧縮音源はいかに高音質エンコード設定にしても、元音源の CD 音質に遠く及ばない。ただし高出力アンプと大口径フロアスピーカーを使用しない限り、つまりポータブルオーディオに限定すればそこそこ楽しめるが、あくまで玩具レベルだ。ところがポータブルでもかつてのピュアオーディオ並みに聴かせるものが出現した。いわゆるハイ・レゾリューション・ミュージックである。巷でいうようにCDの音質を超えたかどうかは実聴しても分からなかったが、MP3とは完全に別次元だ。しかもデータとしてメモリーに格納できるのでポータブルオーディオ向きでもある。

すぐにハイレゾを導入するかはとりあえず横に置いておいて、CD並みの音質をポータブル機器で聴くにはどうしたらいいか。SONY の CD Walkman 全盛期は単にポータブルCDプレーヤーを持ち歩けば簡単に高音質が楽しめたのだが、現在売られているものは台湾製、数千円の安物CDプレーヤーしかない。D/Aコンバーターに全くコストをかけていないので音質なんて論外のレベルの代物だ。

そこであらたな選択肢として浮上してきたのが、ハイレゾ対応 Walkman  である。MDR-1A, PHA-3 と揃えたので、PHA-3 とのデジタル接続を試すつもりで値段の手頃な NW-A25HN を追加してみた。本体メモリーが16GBしかないが microSD で容量を増やせるのでとりあえず 64GB のものを買って入れた。
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NW-A25/26/27

PHA-3 とのデジタル接続自体はiPodとも出来るのだがiPodはハイレゾ非対応なのだ。それに A25 は音楽を聴く以外の機能が省かれておりハードウェアキーのみの操作なので、いちいち画面を見なくても音楽再生の主な操作が出来る。
こうしてiPodからハイレゾ Walkman へと回帰したわけだが、A25 を使って気が付いたのは音質調整の幅がiPodよりもはるかに広いことだ。iPodにはプリセットのイコライザーしか調整機能がないが A25 はカスタムイコライザーで細かくトーンを追い込めるし、DSEE-HX という機能でMP3のデータ補完をして音質を向上させたり、音場を擬似サラウンド化してスタジオやホールの残響エフェクトをかけたり、ノイズキャンセリング機能を搭載していたりと、セッティング機能が満載だ。
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MDR-NW750N

なかでも秀逸なのは付属のノイズキャンセリング・イヤホンMDR-NW750Nの出来だ。単体で購入すると1万円以上するが、本体バンドル品だと実質5千円で手に入るし、本体とセットでないとNCが効かないので、最初からバンドル品を購入するべきだ。もともと上位モデルのZX100を買うつもりだったがNCイヤホン別売なので、イヤホン目当てで先に NW-A25HN を先に入手しておいたわけである。ZX100 は後日追加購入した。音質的には ZX100 の方が上だと言われているが、A25 の方も侮れない実力なので同じ音源と同じイヤホンでじっくり聴き比べしない限り、その差は分からないだろう。というか自分には分からないだけか。しつこく比較しながら聴いていると確かに ZX100 の方がワイドレンジで迫力もある。内蔵アンプのパワーもある。しかし日常持ち歩くには軽くて高音質の A25 だけで十分満足できるのではないだろうか。

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NW-ZX100

tag : NW-A25 NW-ZX100 PHA-3 MDR-1A

SONY MDR-1A から始まった高音質リスニングへの道(3)

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SONY PHA-3

いやぁ、やっちまいました。MDR-1A のポテンシャルが底なしなので、手持ちの機器ではフルに性能を引き出せないと考え、色々検討した結果、ポータブルヘッドホンアンプの最新型 SONY PHA-3 を買ってしまったのだ。手のひらに乗るサイズながら入出力系統が豊富で、iPodやWalkmanとのデジタル接続はもちろんのこと、コンポとの光デジタル接続も可能で、アナログライン入力まで装備されている。そして一番重要なのは MDR-1A とのデジタルバランス接続が出来ること。バランス接続ってずっと意味が分からなかったのだが、要するにL/Rの信号を完全に分離して出力することで、クロストークをなくして左右の分離や定位を向上させるという、高級コンポーネントステレオでは当たり前のことをヘッドホンレベルでやろうということらしい。

従来のヘッドホンは3極端子、つまりL(+)・R(+)・共用アース(-)の3極なので、アース部分で信号が混ざる(クロストークが生じる)ので音響的には不利であると。それ、当たり前じゃん。高級コンポのスピーカー端子なんて全部アース分離型だよ。でも昔のモノラル→ステレオの発展の中でおそらくコストと技術の問題だろうと思うが、アース部分だけ共用にするという「なんちゃってステレオ」端子が業界標準となってしまっていたわけ。なのでバランス接続というのはアースを分離した4極構造でステレオ再生の原点回帰みたいなことをやってるわけ。そんなら最初からステレオ端子は4極規格で作って欲しかったよな。

まぁ経緯はさておき、ステレオのデジタル再生でバランス接続すると、もともとデジタルで4極の信号があったものをD/Aコンバータでアナログ出力するときに4極のままで信号が来るので、その4極アナログ信号でヘッドホンのL/Rドライバーユニットを完全分離して駆動するというわけ。そりゃ音の分離や音像定位が良くなるのは当然だろう。何で今までやらなかったんだろうね。

というわけで小さいのに結構なお値段の PHA-3 と、これまたお高い MDR-1A 専用のバランス接続ケーブル、そして Marantz のコンポーネント CD プレーヤーとのデジタル接続のための光デジタルケーブルを使って、晴れて CD の超高音質視聴環境が整ったという次第。それで音質はどうかというとやはり左右の分離と個々の楽器の定位感は良い。今までの環境では前方120度くらいの範囲の音場だったのが、バランス接続では180度くらいに広がった感じ。しかも弦楽器のピチカートなんて弾いている指の位置が分かるくらいの生々しさ。コンサートホールの最前列くらいで聴いているくらいのイメージ。確かに音は良い。良いんだけどね、やっぱ聴いてて疲れる。生々しすぎてねぇ。

tag : MDR-1A PHA-3

SONY MDR-1A から始まった高音質リスニングへの道(1)

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自室に10数年前に揃えたフルサイズのオーディオセット(MarantzのプリメインアンプとCDプレイヤー、Kenwoodのアナログレコードプレイヤー、JBL4312mkIIスタジオモニタースピーカー)がある。当時それなりにこだわりをもって集めたものだが、ゆっくり聴く時間がなかったのと大音量で鳴らせない環境(近隣や家族への気兼ねから)だったので、音楽環境はカーオーディオとiPodに限定されていた。それらに馴染むうちに「もう音質なんてどうでもいいや、聴けさえすれば」的な開き直りもあって、mp3 や m4a なんぞの圧縮音源でもiPodと数千円のイヤホンで聴いてとくに不満もなかった。

ところが最近気まぐれで購入したヘッドホン、SONY MDR-A1 のせいでそんな自分の音楽環境が急激に変わりだしたのだ。SONYのA1は最初から買うつもりではなく、Sennheiser HD598(通称プリン)を買うための比較対象として店頭で視聴しただけであった。HD598はさすが良く鳴るし装着感もすこぶる良かったのだが、もう少し低域のパンチ力が欲しいなと思い、JBL, BOSE, DENON などと比較して散々迷った挙句、偶然 SONY MDR-1A を視聴した瞬間、迷いは吹っ飛んだ。とにかくドンぴしゃで好みの音だ。

30年ほど前、自称オーディオマニアであった自分は海外製品信奉者で、国産オーディオには目もくれなかった。単なるブランド好きではなく当時本当に国産オーディオはつまらない音だったのだ。しかし結婚後仕事と子育てに追われる中、自然とオーディオに浸る時間は削られ、ひどいときは車で移動中にカーオーディオでCDやMDを聴くぐらいしか時間がなかった。その流れで電車移動中にiPodで音楽を聴くのも、鑑賞と言うよりはBGM的に流しているだけだった。所詮圧縮音源しか聴けないiPodなのだが、アップル純正イヤホンの出来があまりに酷いので、イヤホンだけはほんの少し良いのを選んで使っていた。SHUREやZero Audioの安いカナル型インナーイヤホンでそれなりに満足していたのでそれ以上は必要ないなと思っていた。

昨今のハイレゾブームにもあまり興味が湧かず、どちらかといえば自宅でCDやアナログLPをゆっくり聴いてみたいなくらいにしか思っていなかった。しかしJBLを大音量で鳴らすわけにもいかず、かといってフルサイズコンポの音を数千円のイヤホンで聴くのもどうかと思い、きちんと音楽鑑賞の出来るヘッドホンを探しに京都ヨドバシに行ったのが運の尽きだった。もちろんお目当ては海外製品だったのだが、ネットで評判の良かった Sennheiser HD598 はなぜか気に入らず、JBLやAKGの上級モデルも音が好みでなかった。そういうわけでもののついでにと手に取った国産品が意外に良く、DENONやPioneerがいい線いってるが購入するまでには至らず、さんざん迷ったあげく BOSE の素直な音に再び惹かれ、う~むむ。

最後に手にしたのがSONY製品。音源が手持ちのiPodしかなかったこともあるがフラグシップの MDR-Z7 はもう一つ気に入らず(後で知ったのだが、このモデルはハイレゾ音源+ヘッドホンアンプのバランス接続で聴かないと本来の性能を発揮しないらしい)、格下の MDR-1A が抜群に気に入ってしまった。iPodの音源なのに低域のパンチ、中高域の冴え、ワイドレンジでハイスピード、元気いっぱいなのに下品なドンシャリにならない素性の良さ、そして自然な装着感と洒落たデザイン。非の打ち所がないヘッドホンを発見! もちろん即購入に至った。

早速自宅オーディオにつないで聴いてさらに納得。CDもLPもよく鳴らしてくれる。これならJBL4312mkIIを鳴らさなくてもヘッドホンで充分堪能できる、やれやれ一件落着と思いつつ取説を読んでいると MDR-1A はバランス接続対応とある。「バランス接続? 何それつおいの?」思わずDr.スランプのアラレちゃん的リアクションを(心の中で)とってしまった自分。悪い虫がうずきだす。

「何それつおいの?」

最近のオーディオにすっかり疎くなっていた自分の好奇心に火を付けた罪なやつ、MDR-1A。ここからさらに深みにはまることになるとは・・・(2へ続く)

tag : MDR-1A

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E-M5 祇園祭 Fiio_E12 JC-01B PHA-1A iPod_Touch PHA-3 MDR-1A ハイレゾ FLAC mora NW-A25 NW-ZX100 MDR-NW750N P300 5DmarkII Sigma35mmF1.4 Optio S1 PENTAX Amazonビデオ Kindle EOS5DmarkII EF16-35mmF4L M.Zuiko12-50mmEZ GX7 LeicaDG15mmF1.7 DMW-GWC1 LumixG14mmF2.5 LumixG20mmF1.7 LeicaDG25mmF1.4 EF400mmF5.6L X-A1 XC16-50mm RolanPro LensCoat 1DmkIV EF100-400mmL DA★60-250F4 HDDA_Rear_Converter1.4X HDDA_RearConverter1.4X FAF_Adapter1.7X EF500mmF4L EOS_1DmkIV EF-M18-55mm EF-S55-250mm EOS_M EOS_M3 ME-25 エフェクターボード EF-S55-250mmSTM D-LUX Typ109 Fender Stratocaster Aerodyne Ovation guitar FlyingV Mockingbird YAMAHA_SG1000 RX100 Gibson Finepix_S1 PowerShot_SX50 EF-S24mm/F2.8 7D D-LUX4 K-5 DA18-270mm PowerShot_G1X GXR A16 PowerShot_G16 FZ1000 MX-1 XF18mmF2 XF27mmF2.8 XF35mmF1.4 TCL-X100 X100 WCL-X100 08WideZoom Q7 XF27mm/F2.8 M.Zuiko9-18mm LUMIX_GX45-175mm GH2 LF1 XZ-1 K-3 DA★16-50mmF2.8 LUMIX_G14mm/F2.5 LUMIX_G14-42mmEZ LUMIX_G6 LUMIX_G12-35mm/F2.8 DA★16-50mm BCL-1580 E-PM1 BCL-0980 DCR-732 DP1_Merrill DW-6 DP2_Merrill 5D_markII KenkoACクローズアップレンズNo.5 AML-2 Ulyssesボディスーツ XF1 PowerShot_G12 F990EXR RX10 X-E1 PNETAX_Q7 P10 Volkswagen_R36 EF28mm/F1.8 EF40mm/F2.8STM LUMIX_GX12-35mm/F2.8 GX1 GRDigital_III K-5IIs X20 X10 E-PL5 M.Zuiko45mm/F1.8 M.Zuiko17mm/F2.8 E-PL2 M.Zuiko_12-50mm LX7 XF18-55mm XF55-200mm PowerShot_SX50HS DA★16-50mm/F2.8 Mount_A12 SAMYANG_Fisheye8mm/F2.8 X-S1 Canon_5DII GXR_A16 Sigma35mm/F1.4DG PowerShot_S110 LUMIX_G_20mmF1.7 LUMIX_G_14-140mm LUMIX_GH2 V-LUX4 DMW-LT55 PowerShot_S95 Coolpix_P310 V-LUX1 PENTAX_Q 06-TelephotoZoom LUMIX_DG14-140mm ボディキャップレンズ 水族館 PENTAX_X-5 LUMIX_LX5 花火 DA55-300mm M.Zuiko14-42mm EF24-105mm/F4 S10 HX30V LEICA

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