SONY Walkman NW-A25とNW-ZX100

手持ちの初代iPodと最新iPod Touch6を比較試聴して気づいたのは、音質が全く同じということ。今さらながらビックリである。音質調整機能は両者ともプリセットのイコライザーのみで、しかもそのバリエーションまで全く同じ。初代を購入したのが2002年だから、実に14年もの間、音楽再生の基本機能に関して進歩は全くなし。初代の完成度が高すぎたのか(?)、それとも音質というものをAppleは全く重視していないのか。所詮は圧縮音源なので音質なんてこんなモンでいいでしょう、的な割り切りの産物か。音質を重視するならCD聴けよってことかね。

一方、一時はiPod人気に追われて衰退していたWalkmanはこの14年の間でめざましい進歩を遂げている。iPodより安価なA25ですら、ちょこっと聴いただけで音の良さは如実に分かる。圧縮音源のデータ補完をすることで擬似的に音質をアップスケーリングするDSEE-HXやClear-Audio+、細かくカスタマイズ可能なグラフィックイコライザー、デジタルサラウンド機能等々、音質へのこだわりが半端でない。ネットワークマルチメディア端末へと発展したiPodとは対照的に、Walkmanは音楽再生に特化することで生き残りの道を見いだしたのだろう。

ポータブルヘッドホンアンプPHA-3を買ったついでに、つい「ノリ」で購入してしまったWalkmanだが、iPodと同じ音源をA25にコピーして聴いてもまるで別物のように音質が良い。安価なA25ですらそうなのだから上級モデルのZXシリーズはさらにその上をいく。
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NW-A25HN(ノイズキャンセルイヤホン同梱モデル)を買った後にZX100も追加購入したので、両者に全く同じ音源(ハイレゾ含む)を入れて聴き比べているが、両者の音質的違いは確かにある。しかしその差は比較的小さい。同じ音源・同じイヤホン・同じ音質設定の条件で本体のみを入れ替えて何度も試聴したがA25で充分高音質だ。非常に注意深く聴くとZX100の方が中低域のパワーとスケール感があり、打楽器の音の減衰感が自然だし、ハイハットやシンバルの高域音も上品だ。ただしそれはハイレゾ音源とCDからのFLAC(非圧縮)録音したものに限っていえることで、MP3などの圧縮音源ではほとんど差は感じない。
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また、ポータブルアンプPHA-3とWalkmanをデジタル接続して聴く場合は、Walkmanはデジタルデータの橋渡しとしてのブリッジ機能のみになってWalkman本体の音質設定はバイパスされるので、A25とZX100の差はほぼゼロといって良いだろう。いやもしかしたら数値的には何らかの差があるのかも知れないが、自分の耳で聴いた限りでは全くといって良いほど差は感じられなかった。なので再生音質はもっぱらPHA-3の性能に依存するので、主にポタアンとの組み合わせで使うなら安いA25で充分事足りる。

ZX100を購入するときに最上級機種のZX2とも比較試聴したが、ZX100の方が音作りが明確でパンチとメリハリがあるので、JAZZ/Rockを聴くことが多い自分にはZX100の方が合っていると思った。ヘッドホンのMDR-1Aの方向性とも一致する。クラシックのオーケストラを聴くなら、繊細で自然な音場感のZX2の方が良いだろう。今のところ自分にとってはZX100をPHA-3にデジタル接続し、MDR-1Aのバランス接続で聴くのがもっとも高音質だ。もちろん音源はmoraからダウンロードしたハイレゾ音源か、CDプレーヤーから光デジタルケーブルでPHA-3に接続したもののどちらか。あるいはPC側でCDからFLAC録音した音源。

MP3/M4Aは圧縮音源なので音質はツーランクほどダウンしてしまうが、録音時のサンプリングレートを最高の320kHzに上げておけば音質は少しだけ向上する。しかしそこまでやるなら非圧縮のFLACの方がはるかに音質は良いのだから、ファイル容量は増えるがFLACで録音するのが絶対的に良い。
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今回の買い物でもう一つ気に入ったのは、A25同梱のノイズキャンセリングイヤホンMDR-NW750Nの性能だ。確か5年ほど前に同じSONY製のバッテリー駆動式のノイズキャンセリングヘッドホンを購入したことがあったが、バッテリーケースがやたらと邪魔だしせっかくのノイズキャンセリングも効くことは効くのだが駆動中のサーッというわずかなノイズが気になってしまい、結局使わずに放置状態だった。

それと比べるとこの新しいNCイヤホンは、まずバッテリーボックスがなくて軽いし、音質が良い。再生帯域に癖がなくて普通のイヤホンとして使っても充分高音質である。それにNC機能が素晴らしい。BOSEのようにほぼ完全に無音化するのではなく、不快な周波数成分のみ低減するので電車やバスの走行音はほとんど気にならなくなるが車内アナウンスは何とか聞き取ることが出来る。NCの効き具合もWalkman本体で-15~+15の範囲で細かく調整でき、効きを最大にするとアナウンスや人の話し声もほぼ聞こえなくなる。しかし物音が聞こえなさすぎるのは外出時は危険なので、デフォルトの0付近で使う方が良いだろう。

tag : NW-A25 NW-ZX100 MDR-NW750N

iPod からハイレゾ Walkman へ

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初代 Walkman (左)と Walkman Professional (右)

ポータブルオーディオといえば1979 年に登場した初代 Walkman (むろんカセットテープのやつね)あたりから使っていたし、80年代後半には当時10万円近くした録再 Walkman の最高峰、Walkman Professional も購入し、これは駆動系がいちど駄目になったが修理に出して今でも使用可能な状態で保存している。それ以降カセットテープの衰退とともに記録媒体が MD に移行し、パイオニア製の MD プレーヤーも使った。これはCDプレーヤーから光デジタルケーブルで直結してダイレクト録音できる優れもので、本体操作で曲名の編集なんかもできたしカーオーディオにも使えた。
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SHARP Zaurus シリーズ

そして 90 年代、時代はしだいにメモリーオーディオへと移っていくのであるが、自分は iTunes や iPod が登場する以前からPCとフリーソフトを使って CD のリッピング、エンコーディングを行って MP3 ファイルを自力で生成し、電子手帳 SHARP Zaurus のメモリーに格納して聴いていた。この Zaurus は早くから MP3 オーディオ再生機能を搭載しており、専用のコントローラーを接続したら普通にメモリーオーディオプレーヤーとして使えたのだ。
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初代 iPod

2001 年、初代 iPod と iTunes が登場した。ガジェット好きの自分が飛びついたのは言うまでもない。この頃買った静電ホイール式のモノクロ iPod は、これまたきちんと使える状態で手元に温存している。その後 iPod Shuffle, iPod Nano, iPod Touch と購入するなかでポータブルオーディオは iPod 中心となったが、音楽自体を聴く時間がどんどん減り、車で通勤していたときはカーオーディオで FM ラジオか CD を流すくらいしかしておらず、生活の中で音楽の占める比重がどんどん減っていった。
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iPod Touch 第6世代 (現在使用中)

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そして単なるBGMじゃなくてちゃんとした音楽鑑賞がしたいという欲求が増してきた現在、ポータブルオーディオの世界でも次々と革新が行われ、ポータブルだけどピュアオーディオに近い音楽鑑賞ができる時代に突入した。かつて Walkman Professional を購入したときのワクワク感に近いものを感じる。

10年前にiPodをコンポのカセットデッキ代わりに使えないかと思って色々試したことがある。iPodのイヤホン出力を RCA プラグに分岐してプリメインアンプにつなげば良いので簡単なことだが、それを JBL4312mkII で鳴らしたときのガッカリ感といったら言葉で表現できないほどだった。イヤホン聴きでは分からなかった音のアラが、フルサイズコンポでは赤裸々に露呈されるのだ。元音源のCDと切り替えて聞き比べるまでもなく、MP3データはDレンジが狭く平板で、高域がザラザラ汚く、中・低域も輪郭がにじんで沈んでしまっている。なんせデータ量が1/10に圧縮されているのだから当然といえば当然かもしれない。これはMP3エンコード時のビットレートを上げたりしてもあまり改善しない。それくら圧縮音源というものはクオリティが低いのだ。にもかかわらずイヤホンで聴くと意外に良い音がするような気がするのは、再生装置の限界性能が低いために音のアラが目立たないだけなのだ。最近はMP3エンコーダよりも音質の良いAAC (M4A) エンコーダが主流となっているが、実聴比較すると体感的にはほとんど同じだ。

自分の結論としては、MP3, M4A などの圧縮音源はいかに高音質エンコード設定にしても、元音源の CD 音質に遠く及ばない。ただし高出力アンプと大口径フロアスピーカーを使用しない限り、つまりポータブルオーディオに限定すればそこそこ楽しめるが、あくまで玩具レベルだ。ところがポータブルでもかつてのピュアオーディオ並みに聴かせるものが出現した。いわゆるハイ・レゾリューション・ミュージックである。巷でいうようにCDの音質を超えたかどうかは実聴しても分からなかったが、MP3とは完全に別次元だ。しかもデータとしてメモリーに格納できるのでポータブルオーディオ向きでもある。

すぐにハイレゾを導入するかはとりあえず横に置いておいて、CD並みの音質をポータブル機器で聴くにはどうしたらいいか。SONY の CD Walkman 全盛期は単にポータブルCDプレーヤーを持ち歩けば簡単に高音質が楽しめたのだが、現在売られているものは台湾製、数千円の安物CDプレーヤーしかない。D/Aコンバーターに全くコストをかけていないので音質なんて論外のレベルの代物だ。

そこであらたな選択肢として浮上してきたのが、ハイレゾ対応 Walkman  である。MDR-1A, PHA-3 と揃えたので、PHA-3 とのデジタル接続を試すつもりで値段の手頃な NW-A25HN を追加してみた。本体メモリーが16GBしかないが microSD で容量を増やせるのでとりあえず 64GB のものを買って入れた。
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NW-A25/26/27

PHA-3 とのデジタル接続自体はiPodとも出来るのだがiPodはハイレゾ非対応なのだ。それに A25 は音楽を聴く以外の機能が省かれておりハードウェアキーのみの操作なので、いちいち画面を見なくても音楽再生の主な操作が出来る。
こうしてiPodからハイレゾ Walkman へと回帰したわけだが、A25 を使って気が付いたのは音質調整の幅がiPodよりもはるかに広いことだ。iPodにはプリセットのイコライザーしか調整機能がないが A25 はカスタムイコライザーで細かくトーンを追い込めるし、DSEE-HX という機能でMP3のデータ補完をして音質を向上させたり、音場を擬似サラウンド化してスタジオやホールの残響エフェクトをかけたり、ノイズキャンセリング機能を搭載していたりと、セッティング機能が満載だ。
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MDR-NW750N

なかでも秀逸なのは付属のノイズキャンセリング・イヤホンMDR-NW750Nの出来だ。単体で購入すると1万円以上するが、本体バンドル品だと実質5千円で手に入るし、本体とセットでないとNCが効かないので、最初からバンドル品を購入するべきだ。もともと上位モデルのZX100を買うつもりだったがNCイヤホン別売なので、イヤホン目当てで先に NW-A25HN を先に入手しておいたわけである。ZX100 は後日追加購入した。音質的には ZX100 の方が上だと言われているが、A25 の方も侮れない実力なので同じ音源と同じイヤホンでじっくり聴き比べしない限り、その差は分からないだろう。というか自分には分からないだけか。しつこく比較しながら聴いていると確かに ZX100 の方がワイドレンジで迫力もある。内蔵アンプのパワーもある。しかし日常持ち歩くには軽くて高音質の A25 だけで十分満足できるのではないだろうか。

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NW-ZX100

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